朗読劇ってなんだろう

朗読劇ってなんだろう。
「朗読」と「朗読劇」は違う物なのか。一般的な「演劇」と何が違うのだろう。

私がこれまでに提供してきた脚本は、すべて朗読劇というスタイルで上演されてきた。ただその劇の呼び方は「朗読劇」「放送劇」「リーディング劇」と、劇団によって異なる呼び方をしている。それぞれに劇団の考えが有るようだ。

役者さんが台本を手にして舞台に立つという点ではどの劇団も同じだ。ただ舞台上の演出は劇団によって随分異なる。

演出のスタイルで多いのは、役者さん一人につき一本のマイクを用意し、マイクの前に立って台本を読むというスタイル。いわばラジオドラマの収録の様子を舞台上で見せるといった公演だ。この場合、演出のカギになるのは声の演技と効果音。台本をただ読み上げるだけでは単なる「朗読」になってしまう。「劇」を上演するのだから、声の演技は欠かせない。感情を載せ、間を作り、役者同士の掛け合いのタイミングも大事だ。でもそれがうまくいくと、体を使った芝居が無くてもお客さんが喜んでくれる舞台は出来上がる。

体を使った芝居を交えながらの朗読劇というスタイルもある。舞台にはセットが用意されていて、役者さんは台本を持っているが、舞台上で動きながら役を演じる。もともとは演劇の稽古の1ステップで、まずは台本を持ったまま動きを確認していたものを、そのスタイルでの公演も面白いのではないかと考えて上演したのが始まりだそうだ。

朗読を目的にして結成された団体では前者の声の演技が主体の朗読劇が多いようで、後者の動きのある朗読劇は演劇の劇団で取り入れられているように感じる。どちらが良いというものではなく、上演するストーリーや、お客さんが何を求めているかといったことでスタイルは決まっていくようだ。

私は脚本を提供しているが演出はしたことが無い。どんな舞台を作り上げるかは脚本を提供した劇団におまかせしている。だから朗読劇とはなにかという問いに対する明確な答えを持っていない。自分の書いた脚本が実際の舞台で上演されたとき、「こんなふうになるんだ」と感動するときが結構うれしい。だから、「朗読劇とは何か」に対して、あえて答えを探そうとしていない。舞台を作る劇団のみなさんとお客さんが喜んでくれる物語を作り出すこと。それに専心するようにしている。