これホントに面白いのか病

あるシナリオ関連の雑誌を読んでいた時、「これホントに面白いのか病」という言葉に出会った。
脚本家がシナリオを書き上げた後、そのシナリオを読み直すうちに急に自信喪失してしまい、「この脚本は本当に面白いのだろうか」と自問することにそのような名前を付けたらしい。
脚本を書く人たちの中で広く知られている言葉なのか、その記事の作者の造語なのかは分からない。
しかし、「これホントに面白いのか病」は、私も発症することがある。大変よくある。それも一本の脚本を最後まで書き上げる前に、書いている最中に発病することが多い。
いい台詞が思い浮かばず、仮の台詞を書き並べていったんストーリーを組み立ててみた後などは要注意だ。仮置きした台詞を声に出して読んでみると、「これを推敲して面白くできるのだろうか」と不安になる。
ストーリーを思いついた瞬間は最高に幸せな気分になるが、それを箱書きに落とし込み始めた途端、「これは本当に面白くなるんだろうか」と頭を悩ませることも頻繁にある。そんな時に気晴らしにテレビドラマなどを見ると最悪だ。「この脚本家さんはなんでこんなに面白いドラマが書けるんだろう」という羨望や自己否定が入り混じった感情が溢れてくる。結局、気晴らしどころか自信喪失することになる。

雑誌の記事に出てくるほどだから、脚本や小説など創作の世界で暮らす人たちには少なからず経験のある病気なのだろう。でも私は知っている。「これホントに面白いのか病」に苦しんだ後、それでもあきらめずに考えて考えて一本の作品を書き上げることができたとき、「ああ、書いてよかった」という大きな満足が待っていることも。
私にとって、書くことは楽しいばかりではない。悶絶を繰り返す闘いでもある。それでも書くのをやめないのは、書き上げた後の達成感がたまらなく好きだから。そして脚本の場合は、書いたものを舞台で上演してもらえるというご褒美までいただける。
だからこれからも私は「これホントに面白いのか病」と闘っていく。

シナリオ作成のご相談を承ります。ご要望のある方はこちらからご連絡下さい。